COVID-19で可能となった弾丸プレゼン参加

 COVID-19が流行する前の時点では、日程上、本大会への参加は困難でした。しかし大会の日程が変更され、オンライン開催になったことで参加できることになりました。弾丸プレゼンの存在は、たまたまカパルのメーリングリストで知りました。カパルの研究大会に参加するのは初めてでしたが、貴重な機会に私も何か発表したいと考えました。また、インドネシアをフィールドとする研究者をあまり存じ上げないため、これを機会に様々な専門分野からインドネシア研究に携わる先生方に自分の研究テーマをお伝えするとてもいいきっかけになると考え、募集締切の直前に飛び込みで応募しました。

本番までの過程

 弾丸プレゼンで発表した内容は、2020年3月に修了した大学院の修士論文の一部です。COVID-19の影響で学内での修士論文の最終発表が中止となり、その発表できなかった内容を整理して弾丸プレゼンで発表しました。このため、学内の最終発表用に作成していたスライドを9月頃に再整理しました。5分間という短い時間内に収めようとすると、修士論文から抜粋していない内容との齟齬が生じたり、伝えたい内容が抜け落ちることもあり、思った以上に苦労しました。今回は大会運営委員の先生方からフィードバックをいただく機会があったため、スライド作成後にご確認を依頼しました。フィードバックはあたたかいコメントから鋭いご指摘まで、自分ひとりでスライドを作成していた際は気付かなかった点が多く、とても励みになりました。フィードバックをいただいた点を修正し、11月には大学院の指導教員にスライドの確認を依頼しました。複数の先生にご確認いただくことで、安心して弾丸プレゼンに臨むことができました。

 スライドができた時点で読み上げ原稿を作成し、プレゼンの練習をしました。実際の発表と同様に、原稿を読みながらスライドを自身で操作する練習を繰り返し行うことで、読み上げ原稿の内容を調整しました。限られた時間の中で伝えたい内容を厳選し、かつ早口にならないよう意識しました。おかげで、本番には落ち着いて望むことができました。

オンライン懇親会と弾丸プレゼンを経験して感じたこと

 弾丸プレゼン終了直後にはオンライン懇親会が開催されました。大会運営委員のご配慮で弾丸プレゼン発表者へのフィードバック時間を設けていただき、懇親会では様々なフィードバックをいただくことができました。研究テーマに関連する勉強会の情報等もご教示いただくことができました。その一方で、オンライン懇親会のグループ歓談では、グループの人数が少々多い印象があったため、グループを小規模にしたり、時間を区切って強制的にグループ替えを行っていただくと、より多くの先生方と話す機会を得られたのではないかと感じます。

 最後に、弾丸プレゼンの良かった点と改善するとよいと感じた点を述べたいと思います。よかった点は、事前にフィードバックをいただくことができた点です。大会当日は他の参加者と接する時間が限られるため、関連分野の先生からのコメントをいただけない可能性もあると感じました。発表前に大会運営委員の先生方から発表内容について示唆をいただけたのはとてもありがたかったです。また、運営メンバーの皆様がとても明るく歓迎してくださったことで緊張がほぐれました。

 改善点としては、チャットやオンライン懇親会でのフィードバックの際には、質問だけでなく感想や反応ボタンを使用してリアクションをいただくよう参加者に呼びかけていただいてもいいかと感じました。オフラインと異なり、オンライン大会では発表終了後に個人的に話すのが難しいからこそ、聴衆とやり取りをする時間を大切にできると、弾丸プレゼン企画の意義がより反映されると感じました。

 私にとって、弾丸プレゼンは短い時間で自分の研究を伝えるとっておきの機会となりました。弾丸プレゼンでは同じインドネシアをフィールドとしていても、専門が異なる研究者に簡潔に話す必要があることから、インドネシアの概要等の説明については簡略化したり、逆に専門分野の情報は詳しく説明する等、発表内容を推敲していく過程で、自分自身の表現力の向上にもつながったと感じました。何より、自身の研究をアピールする絶好の機会となり、今後の研究の示唆もいただくことができました。今後の研究大会でも弾丸プレゼンが続くとよいと思います。ご興味のある方はぜひチャレンジしてみてください!

柳澤沙也子(甲南女子大学大学院・研究生)